一般的な営業形態
他方、上映用フィルムの配給元となった配給会社に対し、定額ないしチケット売り上げ額に対する一定割合(映画によって変動あり)の額を、「フィルム貸し料」として支払う。これが映画館の経費の多くを占める。
日本では、厚生労働省が監督官庁であり、直接的には所在する都道府県又は市が設置している保健所の監督を受ける。また、都道府県ごとに、生活衛生関係営業の運営の適正化及び振興に関する法律に基づく興行生活衛生同業組合(これには、映画館以外に演芸場や貸しホール等も加盟している)を組織している。なお、この組合はあくまで任意加盟である。例えば、シネコンがオープンする際に、地元の既存映画館と対立するケースもあり、その結果、そのシネコンは組合に未加盟のままとなっている例もある。
映画館の規模によっても違うが、一般的に講堂内部には1スクリーンあたりおよそ80〜600席の座席が設置されている。1スクリーン当たりの平均的な客席数は、300席未満の映画館が多い。
映画を鑑賞するための入場券は前売り・ないし当日券という形で販売される。前売り券の場合は多少の割引や、非売品の記念品が付属するなどの特典が付く事が多い。金券ショップに持ち込まれたものを購入する事も出来るが、トラブルが皆無という訳ではないので、そのような店での入場券の購入の際には注意が必要である。また、夜間上映などの時間帯・ないし学生割引・レディースデー・『映画の日』(本来の記念日としては12月1日だが、現在では多くの都道府県において毎月初頭1日に拡大されている)・シニア割引など、様々な割引制度が実施されている。(詳細については、映画料金割引の項を参照)
映画館の受付ロビーには、上映中の作品や次回上映予定の作品のポスター・上映日程・時間帯などが示されている。これらや新聞広告・TVCMなどの情報を元に、観客は自分が鑑賞したい作品のスケジュールを知り、後日に映画館に足を運ぶ段取りとなる。また映画館によっては、上映作品の販売状況などが、空席があるのか満席かなどが受付の電光掲示板・ないしインターネットのウェブサイトなどで確認出来る場合がある。
日本の映画人口が減少期に入った1960年代後半以降、多くの映画館では『木戸銭制』 (一度入場すれば、途中退出しない限り、最終回の上映終了まで、何度でも鑑賞可能)を採用してきた。が、近年主流となっているシネコンやミニシアターでは『入れ替え制』を採用しており、チケットに指定された回の上映が終わった後は、観客は速やかに講堂から退場しなくてはならない。
いずれの方式においても、入口を出た後の再入場は基本的に許可されていない(木戸銭制であれば、改めて入場料が必要)が、トイレや自動販売機・売店などが館内に設置されていない等の事情により、入場時の半券を提示する事で、その半券記載の上映時間内であれば許可するシステムをとる館もある。
鑑賞・および上映中の行儀
講堂を含め、映画館内は禁煙である。これは消防法との兼ね合いで決まっている。最近では、上映の前に携帯電話の電源を切っておく事を促す広告が目立ってきている。
指定席制度の映画館では、先着順・ないしは座席を指定して、銀幕が見やすい場所から席が埋まっていく。自由席制度の映画館では、完全先着順で座席を決めて座ってよい。ただし自由席の場合、友達や知人などのために複数の座席を占領するのは行儀違反である。
人気作品の場合は、通路に立ち見客が発生する事態も考えうるが、立ち見客が発生する場合に、鑑賞チケットの販売を行うかどうかは、映画館の判断による。ただし、各館における定員は、立ち見を含めてあらかじめ設定されており(都道府県によっては、館内にそれを掲示させているところもある)、それを超えて入場させると、映画館が処罰の対象となりうる。
作品の本上映が始まる前に、次回に上映する映画の予告編、上記のような「映画館からの上映中のマナーやお願い」やCMなどが、スクリーンに映される。
多くの映画館では、付属の売店もしくは自動販売機で軽食や飲み物を販売している。講堂内でこれらの軽食類を食しながら映画を鑑賞する場合、他人の鑑賞を妨げる事があってはならない。そのため、売店で販売されるメニューの多くは、食べても音をあまり発しないポップコーンなどのものが主体となる。そういった客への利便性のため、上記の写真のように、座席にカップホルダーが付いている映画館もある。
なお、館内での飲食については「持ち込みも含めてOK」「OKだが、館内で販売しているものに限る」「飲料はOKだが、食料はNG」「予告編が終わるまではOKだが、本編が始まるとNG」「いかなる形であれNG」等、映画館によって対応が分かれるので、初めて訪れる館では注意が必要である。
上映中にトイレに立ちたくなった場合は、出来るだけ他の客(特に後ろの席で鑑賞している客)の迷惑にならぬように注意して席を立つこと。
鑑賞中は、以下のような他の観客にとって迷惑になる行為は、基本的に慎まなければならない。
* 携帯電話の使用・および着信
* 大きな声での私語・および「いびき」(講堂内の暗さのため、中には上映中に寝てしまう客もいる)
o ただし、上映されている作品の内容に関連する適度の感情表現(笑い・悲鳴・泣き)などは許容の範囲である
* 大きな音を立てての飲食
* 見苦しいほどに身体を揺らす・暴れる、または前の席を蹴る
* すでに鑑賞した者による、映画の展開の暴露。いわゆる『ネタバレ』
* 上映されている画面の撮影(日本でも「映画盗撮防止法」が2007年5月に成立したため、処罰される)
* 本編が始まってからの入場
* 上映が完全に終了する以前の離席(近年ではエンドロールが始まると離席する客が多い。これを見越し、エンドロールの跡に「仕掛け」を仕込んでおく監督も少なくない。)
上映が終了すると館内に照明が付くので、場内に忘れ物が無い事を確認して退場する。講堂を出た場内ロビーでは、上映作品に関するグッズや作品解説のパンフレットなどが販売されているので、記念に買って行く人もある。
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